■酒井克彦(所長・代表理事)
〔現職〕中央大学法科大学院教授
中央大学ロースクール、ビジネススクールでも教鞭をとる。
租税法学会、日本私法学会、日本公法学会
IFA(International Fiscal Association:国際租税協会) 等会員
〔最終学歴〕
中央大学大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。
〔主要業績〕
『スタートアップ租税法〔第3版〕』(財経詳報社2015)
『ステップアップ租税法』(財経詳報社2010)
『フォローアップ租税法』(財経詳報社2010)
『ブラッシュアップ租税法』(財経詳報社2011)
『クローズアップ課税要件事実論〔第4版〕』(財経詳報社2015)
『所得税法の論点研究』(財経詳報社2011)
『裁判例からみる法人税法』(大蔵財務協会2012)
『裁判例からみる相続税・贈与税〔3訂版〕』(大蔵財務協会2013)
『行政事件訴訟法と租税争訟』(大蔵財務協会2010)
『「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈』(清文社2013)
『「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈』(清文社2015)
『租税実務必携 附帯税の理論と実務』(ぎょうせい2010)
『レクチャー租税法解釈入門』(弘文堂2015)その他多数
■ご挨拶
アコード租税総合研究所所長の酒井克彦でございます。
租税法律関係においては、しばしば納税者と租税行政庁の見解が対立し、紛争が生じます。裁判や不服審判に紛争解決のシステムとしての重要な役割が期待されていることは間違いありませんが、租税専門家や納税者の望むところは、争訟前の段階での紛争解決にあるのではないでしょうか。さらにいえば、そもそも紛争など発生しないことがなによりも望ましいはずです。
法律解釈や事実認定の正当性判断において争訟制度に期待するところには大きいものがありますが、納税者と租税行政庁との間での情報の共有がなされていれば生じる必要のなかった紛争や、立法論的に手当てされていれば生じなかったというような紛争が争訟に持ち込まれることが多いという実情に鑑みると、コンフリクトの未然防止を議論することの重要性を感じずにはいられません。
そこで、納税者と租税行政庁との間のコンフリクトの解消あるいは未然防止のために、双方の架橋を図ることを目的として、当研究所を設立いたしました。
さて、納税者と租税行政庁との橋渡しには、インフラストラクチャーの構築が重要です。
例えば、民官学の3者の共通フォーラムの構築、そのフォーラムにおける議論を通じた問題の事前発掘、問題解決に向けた解釈論的・立法論的あるいは行政手法的アプローチの研究が重要となると考えます。それぞれの立場からの意見を出せるような議論の場を提供したいと考えております。当研究所はその役割を果たすことを目指して活動を開始いたします。そこで、適宜、様々な情報提供を行うとともに、研究成果たる解釈提言、立法提言、行政手法提言などをいたします。
また、我が国には、納税者と租税行政庁との橋渡しをするべく中立的立場を堅持する専門家として税理士制度が設けられています。税理士は納税者のもっとも頼りになる租税専門家ですから、税理士が租税法の解釈論をしっかりと身に着けることは、コンフリクトの解消や未然防止に必ずや寄与するはずであると確信いたします。かような意味では、当研究所は税理士の研鑽への支援活動もいたしてまいります。
アコード租税総合研究所は、租税制度や納税環境整備などを多角的に研究対象とするシンクタンクです。皆さまのご理解とご協力を賜れれば幸甚に存じます。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長 酒井克彦